中国の保健当局幹部は20日、新型コロナウイルスによる肺炎で、人から人への感染が確認されたと明らかにした。新型肺炎はここにきて、中国全土や周辺のアジア諸国にも急速に広がっており、人から人への感染という最も懸念されていた事態が現実のものとなった。今週から始まる春節(旧正月)の祝日には、数千万人の市民が帰省や旅行で移動する予定で、感染拡大への懸念が改めて高まるとみられている。中国当局者で、感染症研究の第一人者である鐘南山氏は、中国国営中央テレビ(CCTV)とのインタビューで、人から人への感染リスクに言及。「現在は警戒を高める時だ」として厳重な警戒を呼び掛けた。同氏は約20年前に発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)への対応で中心的な役割を果たし、広く功績を認められた人物だ。