1位負債総額1033億円
100億円超13社
今回は、2019年に全国で倒産した企業のデータを使い、「大型倒産ランキング2019」をお届けする。東京商工リサーチの集計データを基にダイヤモンド編集部が作成した。対象期間は19年1~12月。
ワースト10で最も多かった業種はホテル経営・運営で4社。人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地として知られるホテルを運営していた企業が、負債総額で上位に浮上した。100億円超の倒産は13社だった。
1位はパナソニックの完全子会社、MT映像ディスプレイ(大阪府)で負債総額は1033億円。
03年にパナソニック(当時は松下電器産業)と東芝のブラウン管事業の合弁会社として、実質的に事業を開始した。
液晶との競争激化やブラウン管需要の減少で、06年3月期に債務超過。07年にパナソニックが東芝の出資分を買い取った。
ブラウン管の製造からは撤退し、補修サービスのみを続けていたが、その後、事業活動を停止。19年1月に特別清算に至った。
2位はホテル運営のエメラルドグリーンクラブ(東京都)で450億円。ホテルグリーンプラザ鴨川(千葉県鴨川市)、ホテルグリーンプラザ強羅(神奈川県箱根町)といった会員制リゾートクラブの運営を手掛けていた(両ホテルは運営を継続)。
会員数の減少や預託金を巡るトラブルがあり、資金繰りが行き詰まった。
3位はホテル経営のAWH(静岡県、19年10月に淡島ホテルから社名変更)で400億円。同社が18年まで運営していた淡島ホテル(静岡県沼津市)は、「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場するアイドル、小原鞠莉の実家が経営するホテルのモデルとなっていた。現在、淡島ホテルは別の企業が経営しており、「ラブライブ!」とのコラボ企画も打ち出している。
グループ企業が運営するホテル会員向けの社債などが弁済できず、トラブルが発生。19年7月に債権者から破産を申し立てられ、12月に破産した。
9位の日本オーナーズクラブ(東京都)も、ホテルグリーンプラザ富士(静岡県御殿場市)、ホテルグリーンプラザ浜名湖(同県浜松市)を運営していた(両ホテルは運営を継続)。
負債総額は145億円。業績の低迷に加え、グループ企業であるエメラルドグリーンクラブの法的整理もあり、日本オーナーズクラブは昨年11月、民事再生法の適用を東京地裁に申請した。
10位はパチンコホール・ホテル経営の土高興業(東京都)で、110億円だった。