電通vs博報堂。ヤマト運輸vs佐川急便。アップルvsアマゾンetc.
有名企業の決算書を徹底分析! 「儲かっている」のはどっちだ?
本連載は、誰もが知っている有名企業の決算書を対比させることで、「仕事に効く会計知識」と「経営分析の基本」を一気に学ぶものだ。著者は、「監査法人」「証券会社」「ベンチャー企業」「会計コンサル」、4つの立場で「会計」に携わった経験を持つ川口宏之氏。発売4日で重版が決まった『経営や会計のことはよくわかりませんが、儲かっている会社を教えてください!』の著者でもある。
※前回記事『フジテレビと日本テレビ、「儲かっている」のはどっち?』の続きです。
ライバル企業に大きく水をあけられてしまった場合、どのような戦略をとるべきでしょうか。「地道にいいモノを作り続ける」という正攻法もあるでしょう。
しかし、そんなことはこれまでも当然やってきたはず。「いっそう努力します」では何の解決にもなりません。
実は、フジ・メディア・ホールディングスの有価証券報告書を子細に見てみると、違った道を探っていることが読みとれます。
フジには「儲けの柱」が育っていた
それは、もうひとつの事業セグメント「都市開発・観光事業」の存在です。
フジ・メディア・ホールディングスの営業利益の構成比の推移をたどってみると、「都市開発・観光事業」が大きな存在感を見せています。次の画像を見てください。
かつては、営業利益の2割程度しか占めていませんでしたが、現在は営業利益の5割以上を「都市開発・観光事業」で稼いでいるのです。