フジ・メディア・ホールディングスの都市開発・観光事業とは、都市部のオフィスビル賃貸や、リゾートホテルなどを運営するサンケイビルグループのことです。株式会社サンケイビルは2012年3月期にフジ・メディア・ホールディングスの100%子会社となりました。

 その後、積極的な不動産開発や、2015年のグランビスタホテル&リゾートの買収などにより、業績を順調に伸ばし、今やグループ全体の主力事業に育ったのです。

 都市開発・観光事業の営業利益率は、なんと13%を超えています。これは、日本テレビホールディングス全体の営業利益率11.7%を上回る高さです。

 フジ・メディア・ホールディングスは、主力のメディア・コンテンツ事業にしがみつくのではなく、第2の収益の柱を育てるという「多角化戦略」に舵を切っているのです。

 テレビ業界全体についていえば、インターネットとスマートフォンの普及により、テレビ広告市場は年々右肩下がりで縮小しています。5G時代になれば、この傾向はますます加速するでしょう。

 徐々に縮小する業界にいつまでもしがみついていては、グループ全体の存続が危ぶまれます。

生き残るための多角化戦略

 例えば、かつて写真フィルム業界では、デジカメ普及のあおりを受け、急速に市場全体が縮小していきました。

 トップ企業のコダックが、事業の転換ができずに経営破綻してしまった一方、同業の富士フイルムは、事業の多角化でヘルスケア事業を育成し、見事に生き延びています。この写真フィルム業界と同じことが、テレビ業界にも起きつつあるといえるでしょう。