欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、「プジョー」を傘下に持つフランス自動車大手PSAグループとの500億ドル(約5兆4500億円)規模の合併で正式合意し、これを頼りに競合他社に追いつきたい考えだ。だが合併完了までの1年余りの間、FCAの業績が一段と悪化する恐れがある。乗用車ブランド「クライスラー」や大型ピックアップトラック「ラム」を擁する同社の販売台数は世界中で落ち込み、利益の90%以上を占める北米市場も減少傾向にある。手堅い人気を誇っていたスポーツ用多目的車(SUV)の「ジープ」がつまずき、高級車ブランド「マセラティ」も急降下。「アルファロメオ」復活に挑んだものの失敗し、小型車「フィアット」の欧州市場での2019年の販売台数は18年より7%減少した。さらに電気自動車(EV)で出遅れた代償が大きくなりつつある。
悪路走るFCA、プジョーとの合併までもつか
FCA株主が受け取る55億ユーロの特別配当に批判も
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