「これからどうしようか?」という段階で相談してくれるなら問題はないのだが、本人や家族が既に行っていた運用の失敗をどう処置したらいいかという相談や報告が複数舞い込んでいる。外貨建ての保険を契約してしまって、解約したいが解約ペナルティに悩んでいる(解約して別の運用に回した方がいい!)、とか、ファンドラップで運用していたがもうからない(これも解約した方がいい!)といった相談だ。

 中には、家族が大手証券会社にトルコ・リラ建ての債券を強引に勧められて購入し、その後に為替レートが大幅に悪化していたような例もある。この被害者は「私の履歴書を見ていたら、元大手証券会社の偉い人が『昔は荒っぽいことをしていた』と告白しているが、後輩たちのやることは、合法で巧みになっていても、体質は昔と同じではないか」と嘆いていた。金融機関の体質についてはおっしゃる通りであって、今も昔もセールスマンの勧めで投資してはいけない。

 60歳で定年を迎えて退職金をもらったからといっても、まだ再雇用であったり、再就職して働いたりして、しばらく収入がある人が多い。こうした場合、退職金が丸々運用できるお金という場合もある。すなわち、金融機関から見ると格好の営業ターゲットだ。

 退職世代は運用資金があり、今後20年から30年といった十分長い運用期間がある。金融資産を効率的に運用しないのは明らかにもったいない。しかし、今後働いて収入を得られる期間は短くなるから、リスクが気になる年代でもあるだろう。

 以下、金融機関のカモにされる前に知っておきたい、退職金運用の心得をお伝えしたい。今後、筆者は相談メールに対して、「ダイヤモンド・オンラインの記事を読んでくれ」と返信できる。もちろん、退職金以外のお金の運用に関しても原則は同じだ。以下、四つの原則にまとめた。