ドラッグストアで「安売り王」といわれるコスモス薬品。10年前のドラッグストアのランキングでは上位5位にも入っていなかったが、大手がM&A(企業の合併・買収)を活発化させる中、新規出店だけで、あれよあれよという間に、売上高上位3位の座にいる。そのコスモス薬品の急成長の強みはこれまで「爆発的な安売り」というのが業界の定説。ところがそれだけではなかった。(流通ジャーナリスト 森山真二)
「ドラッグストア街道」と
呼ばれる道路沿いの各店を回ってみた
岐阜県の一角に「ドラッグストア街道」と呼ばれる道路がある。その道路は本巣郡北方町の一角にあり、わずか半径1キロメートル圏内にドラッグストアが4店、少し距離を置いて、それもほんの1~2キロメートルのところにも、さらに3店とドラッグストアが密集している地域。
コンビニエンスストアが道路を挟んで向い合っていたり、密集してあるのは今では珍しくない。しかし、ドラッグストアがまるでコンビニ並みにある風景は見慣れていないためか、少し異様だ。
日本チェーンドラッグストア協会によると、ドラッグストアは全国2万店超もあり、飽和といわれ始めているが、まさにこの街道は今後の地方における(都市部ではすでに過密状態のところも増えている)ドラッグストアの競争状態を示す未来予想図といえる。