もちろん趣味を生かすタイプの副業も悪くはないですが、キャリアをより発展させるという意味では勤務先の業務と競合しない範囲で、これまでに自分の培ったスキルや経験を生かせる副業を考えてみるとよいと思います。

 いまの仕事の延長線上で、ちょっとジャンプして転身できそうなもの――。そういう仕事がないかとイメージを膨らませてみるのは、転職とも共通する発想です。

「外の風」にさらされて
見えなかった価値に気付くことも

 副業では、思わぬ発見をすることもあります。

 私の知り合いの、ある企業で事業部長を務めている人は毎月1回、頼まれてクライアント企業の社長の経営相談に乗っています。

 やっていることはいわゆる「壁打ち」。相手の話を聞きながら「いまの話は要するにこういうことですね」と要約して打ち返したり、「おっしゃりたいことをまとめるとこんな内容でしょうか」と投げ返したりしているそうです。

 それは自社内の会議やミーティングでは当たり前に行われているコミュニケーションの形でしたが、他社では意外とできていないことが多く、「『要するに、こういうことを言いたいのですね』と打ち返すと、相手の社長がすっきり腹落ちした顔をすることに気が付いた」と言っていました。

 つまり、自分も意識せずやっていた自社内のコミュニケーションの取り方や仕事の進め方が、外部の人から見ると一種のメソッドになっており、世の中では価値があるとみなされるのだと副業を通じて気が付いたのです。

 トヨタの「なぜを5回繰り返す」が有名ですが、明文化されているかどうかは別として、一定水準以上の大企業であれば何らかのメソッドがあるものです。外部の風にさらされることによって、自社内のコミュニティーにいると当たり前過ぎて気付かなかった価値が見えてくることもあるのです。