実は本書を読む前に、たまたま近所の温泉でサウナに入った。とても寒い日で、身体の芯まで温まりたかったのだ。

 その温泉のサウナ室には、3段の階段状の座席があり、木の格子で覆われた鉄製のストーブが置かれていた。壁の温度計が指していたのは「セ氏95度」。室内は、かなり乾燥しており、熱気で喉や鼻の奥が少しヒリヒリした。

 じっと我慢すること10分ほど。汗がじんわりにじんできたころに、いったん外に出て、サウナ室の横にある水風呂に漬かる。そして体を拭き、再びサウナ室へ。これを3回繰り返した。おかげで、体はポカポカと温まった。

 ところが本書によると、このようなサウナの入浴法は「間違い」なのだ。

 本場フィンランドのサウナの温度はセ氏75~85度程度で、日本ほど熱くない。また、それほど乾燥していない。ほぼすべてのサウナで、ストーブ上のサウナストーンに水をかけ蒸気を発生させる「ロウリュ(蒸気)」が行われているからだ。

 このロウリュができるサウナは、日本では少数のようだ。私は、まだ見たことがない。

 ところがフィンランドでは、「ロウリュにはサウナの魂あり」と言われるほど、ロウリュが重視されている。

 著者らは、日本のサウナには、ロウリュという魂の部分が抜け落ちて伝わったと指摘。そのためサウナが、とにかく熱く、乾燥した中でじっとしているものと見なされるようになり、「サウナ=我慢」というイメージが定着したのだという。

 また、入浴法においても、抜け落ちたものがある。「外気浴」だ。すなわち「サウナ室→水風呂」を繰り返すのではなく、「サウナ室→水風呂→外気浴」をワンセットとするのが、本来のサウナ入浴法。

 さらに、この外気浴こそがサウナの最重要ステップであり、入浴効果を最大化するものだと、著者らは強調している。