中国・北朝鮮とも関係悪化
四面楚歌の韓国

 ところで、韓国の日韓GSOMIA破棄宣言を大歓迎した国が2つある。

 まずは北朝鮮。実際北朝鮮は、韓国にGSOMIA破棄を要求していた。

<北朝鮮の対南宣伝サイト「わが民族同士」は28日の論評で、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を韓国に要求した。北朝鮮は、歴史問題が通商摩擦に拡大した日韓の関係悪化を日米韓の軍事協力弱体化の好機とみて、引き続き協定破棄を文在寅政権に要求するとみられる。>(日本経済新聞 2019年7月28日)

 もう一国は、中国だ。北朝鮮だけでなく、中国もGSOMIA破棄を韓国に要求していた可能性がある。

<韓国は今年8月22日、GSOMIA破棄を決定した。日本が対韓輸出管理を厳格化したことを理由にしているが、正確ではない。GSOMIAは、米国の主導のもと、日韓で北朝鮮だけでなく、中国の軍事情報も共有する協定であるため、北朝鮮に加えて、中国も破棄を求めていたとされる。決定直前の同月20日には、北京で中韓外相会談が行われている。>(夕刊フジ 2019年12月5日)

 確かに、韓国はGSOMIA破棄宣言で、米国との関係を破壊した。しかし一方で、中国、北朝鮮との関係を改善させたのだ。

 だが、問題はここからだ。韓国は11月、結局GSOMIA延長を決めた。これで、中国、北朝鮮との関係は、再び悪化した。

<中国の王毅国務委員兼外相が4日、韓国を訪問した。中国は「韓国のレッドチーム入り宣言」といえる、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄に賛同していたとされるが、文在寅(ムン・ジェイン)政権は当面維持すると発表した。中国にとっては、事実上の「裏切り」であり、韓国メディアは「(王氏が)『警告状』持参で来韓」などと、おびえるように報じている。>(同上)

 昨年8月から11月までに何が起こったのか? 韓国は、GSOMIA宣言で米韓関係を破壊したが、中朝との関係を改善させた。しかし11月のGSOMIA延長宣言で、今度は中朝との関係も破壊した。

 一時は最悪になった米韓関係だが、昨年11月のGSOMIA延長宣言で、とりあえずリセットされた。文在寅が賢明な政治家なら、これをきっかけに、米韓関係改善に取り組むはずだろう。しかし、文政権は、関係をさらに破壊する行動をとり始めたのだ。