「マヌケ」という言葉は、「バカ」と混同されがちだけど、「マヌケ」という言葉を使っていたら人間関係も仕事関係も良くなっていくし、マヌケであればあるほど運はたまっていくよ!
そんな、欽ちゃんのあったかい言葉が詰まった本『マヌケのすすめ』が、発売になりました。この連載では『マヌケのすすめ』から、とくに心に響く部分を抜粋して、萩本欽一さんの言葉を紹介していきます。(撮影/榊智朗)

夫婦円満の秘訣は「お利口な言葉」を使わないこと

 結婚生活はお互いにマヌケなほうが幸せになれるわけなんだけど、旦那さんも奥さんも、 どんどん「マヌケな言葉」を使ってほしいね。
 夫婦円満の秘訣は「お利口な言葉」を使わないことだと言ってもいいかもしれない。

 いっしょに暮らしていれば相手に腹が立つこともあるし、相手を責めたくなることもある。
  早く帰るって言ったのに夜中になって酔っ払って帰ってきたり、相手の誕生日を忘れたり、頼んだことを忘れてたりね。

 「どういうことか説明して」「いつもお前はそうなんだ」みたいな「お利口な言葉」は、あんまりよくない。
 そもそもが相手を追い詰めるための言葉だから、言われたほうは言い返せなくて悔しいし、言っているほうも怒りがますますふくらんでいきます。

 「こんちくしょう、何時だと思ってるんだ!」と言いたいときは、省略して「コンチク!」って叫ぶのがいいね。
 相手は「は?」ってなって、何を言われているかピンと来ない。
 自分が悪いのはわかってるから、怒られた気はしないけど、なんか反省しちゃう。
 素直に「ごめんね」って言葉も出てくるよね。

 相手に「バカ!」って言われたら「出たな、タン塩!」って返すといい。
 タン塩って焼肉屋さんで最初に出てくるから、「何かあるとすぐそれだな」っていう意味。
「なにそれ?」って聞かれたら、そう説明してあげる。
 話を切り上げたいときは、「じゃあ、もう今日は冷麺にしよう」だね。
 どんどん話がそれて、お互いの怒りも収まっちゃう。

 「お利口な言葉」でわざわざ原因をハッキリさせたところで、話がややこしくなるだけで何にもいいことないよね。
 「どっちが正しい」かを突き詰めたり、「どっちがお利口か」を競ったりするのは、お利口なバカがやることです。
 夫婦ゲンカの原因なんてほぼ100%たいしたことじゃないから、わけがわからなくなっても何の問題もない。

 きちっとした言葉を使うときちっとした感情が生まれて、そのきちっとした感情に対抗するために、また向こうからその上を行くきつい言葉が出てくる。
 どんどんエスカレートしていって、お互いに気持ち悪くなってきちゃう。

 そこに「マヌケな言葉」が入ったら、会話にならなくなって、すべてが崩壊します。
 結婚生活だけじゃなくて、仕事とかでもどんどん活用するといいんじゃないかな。

(本原稿は、萩本欽一著『マヌケのすすめ』からの抜粋です)
*撮影協力/駒澤大学