米フェイスブックの経営陣は政治的偏向の回避に努めていると話している。しかし、民主党は納得するだろうか。民主党の選挙運動員や陣営関係者、進歩主義団体の指導者ら十数人への取材では、フェイスブックと左派政治家の関係はこれまでになく悪化しているとの声が聞かれた。同社はこれまで、会社方針を巡る一連の決定を下しているが、ドナルド・トランプ大統領に有利な決定だと受け止められている。民主党員や陣営関係者の多くは、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)への個人的な批判を強めている。2016年大統領選から状況は一変した。当時はシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を支持していた。関係がほころびた背景には、政治的偏向を巡る保守派の批判を受けたフェイスブックの対応がある。また、ロシアがトランプ陣営を有利にするためフェイスブックを使って誤情報を拡散したことを巡り、米情報当局の調査やロバート・モラー元特別検察官の報告書も一因となった。