大分で生まれ、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま、ハーバード大学に現役合格した『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』の著者・廣津留すみれさん。

ハーバードを首席で卒業後、幼い頃から続けているバイオリンを武器にニューヨークのジュリアード音楽院に進学、こちらも首席で卒業した。

現在はニューヨークを拠点に、バイオリニストとして活動しながら、起業家としても活躍している。

日本から突如、世界のトップ校に飛び込み、途方に暮れるような大量の難題を前に、どう考え、どう取り組み、どう解決していったのか?

著者が学び、実践してきたハーバード流の考える力について、自身の経験を下敷きに、どうすれば個人・組織が実践できるかを、事例やエピソードとともにわかりやすく紹介する。

思いついたらその場でノートに雑多な書き込みで新発想を生もうPhoto: Adobe Stock

思いついたら
その場でノートに
雑多な書き込みで
新発想を生もう

 日頃からノートを持ち歩いて、アイデアが浮かんだら忘れないように書き込んでいる私は、思考の壁にぶつかったときには、必ずアイデアノートを開きます。

 そこから新たなネタを創造しています。たとえば……

 1 eスポーツが流行ってきたから、音楽のライブイベントでコラボしたい
 2 ニューヨークで日本酒好きが増えているから、コンサートと日本酒をペアリングすると面白いかも

 アイデアが浮かぶのは、人と会ってお話したときや、英語のニュースや記事、ポッドキャストなどを見たり聴いたりしているときが多く、その場で書き込んでおきます。

 アイデアは、あえてランダム(雑多)に書き入れるようにしています。

 あえて雑多に書き込んでおくと、ふとしたきっかけで点と点が結びつき、斬新な発想が生まれることが多いからです。

 その日に浮かんだアイデアの中でも、「これはイケそう!」と思ったものは、幼い頃から毎日書き続けている日記に転記することもあります。日記は毎日開くので、アイデアノートを開かなかったとしても、転記したアイデアを目にして再確認できます。

 そこで、単なる思いつきだったものが興味深いアイデアへと化けることもあるのです。

 一度採用したアイデアは、それでおしまいということではなく、引き続き他のアイデアとの結びつきを頭の片隅に置いておきます。

 先ほどの例でいえば、eスポーツ用に考えていたネタが、ニューヨークでの新しいコンサートシリーズに活かせるかもしれないからです。アイデアノートを1年後くらいに見直してみると、実際に採用したものもあればアイデアだけで終わったものもあります。

 ときには「1年前の私、天才じゃん!」と過去のアイデアに驚くこともあります(もちろん逆もあります)が、それは1年の間に新たな気づきがあり、その気づきと過去のアイデアが結びついた瞬間だったりするのです。

 いまのアイデアを将来のために書き留めていますか?