ソフトバンク、NTTデータ、三井不動産などの社員研修で続々と採用されている「idea Picnic(アイディアピクニック)」というアイデア発想法プログラムを書籍化した『アイデアのスイッチ!』(ダイヤモンド社)が好評だ。「idea Picnic」の考案者はAIベンチャーを設立した中沢剛さん。戦略コンサルタントとして働いていた頃に考え出し、ソフトバンク在職中に同社の社内研修の人気プログラムとなった。現在、このプログラムは企業・学校へと広がり始めている。今回、中沢さんの戦略コンサルタント時代の上司で、「idea Picnic」の成立に大きくかかわったNTTデータの風間昭男さんとの対談が実現した。なぜ、「idea Picnic」を実践すれば、誰でもユニークなアイデアを大量に生み出すことができるのか? その秘密に迫る。(聞き手・構成/小嶋優子)

そもそも「アイディアピクニック」って、どんなもの?

「idea Picnic(アイディアピクニック)」は、中沢氏が戦略コンサルタントとして働いていた頃にその原型が生まれた、誰でもユニークなアイデアを大量に生み出せるようになるワークショップ。

 独創的なアイデアを大量に生み出す」というと一部のクリエイティブな人だけが持つ能力のように思われるかもしれないが、このワークショップを行うと、誰でも面白いアイデアをどんどん、しかも楽しみながら生み出せるようになる。

 その方法は実にシンプル。
 以下の4つのステップで進めていく。

ステップ1「フラグを立てる」
「◯◯したいのにできてない」という言葉で、課題を設定する。
例:「朝ごはんを食べたいけど食べられてない」

ステップ2「ネガ出し」
「だって××なんだもん」「▲▲だから無理」など、その課題ができない理由や不満を、大量に出しまくる。
例:「だって、朝は時間がないから」「めんどくさいから」「コンビニで買っても食べる場所がないから」「何食べよっかな~というワクワク感がないから」など。

ステップ3「ネガポジ変換」
 ステップ2で出した理由や不満を、A「単純に反対にする」B「〜ても大丈夫」という言葉でポジティブに言い換える。
例:A「コンビニで買っても食べる場所がある」 B「食べる場所がなくても大丈夫」

ステップ4「問いかけ」
 ステップ3で出した言葉をどれか選び、「◯◯とはどういうこと?」「どうすれば◯◯になる?」と自分に問いかける。
例:「コンビニで買っても食べる場所があるってどういうこと?」「どうすれば食べる場所がなくても大丈夫になる?」「めんどくさくない、ってどういうこと?」「ワクワク感があるってどういうこと?」など。


問いかけに対する答えを考える=〔アイデア誕生!〕
・オフィス街の路上に持ち込みOKのオープンカフェをつくる(食べる場所がある)
・出勤前に、駅で予約しておいたお弁当を受け取れる(めんどうくさくない)
・おみくじつき弁当(ワクワク感がある) など

 たったこれだけだが、威力は抜群。誰でも、1つの課題について30分もあれば、次々とユニークなアイデアがざくざくと生まれるのだ。この画期的な手法を、中沢氏はどのように思いついたのか。その成り立ちから聞いていこう。