大分で生まれ、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま、ハーバード大学に現役合格した『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』の著者・廣津留すみれさん。
ハーバードを首席で卒業後、幼い頃から続けているバイオリンを武器にニューヨークのジュリアード音楽院に進学、こちらも首席で卒業した。
現在はニューヨークを拠点に、バイオリニストとして活動しながら、起業家としても活躍している。
日本から突如、世界のトップ校に飛び込み、途方に暮れるような大量の難題を前に、どう考え、どう取り組み、どう解決していったのか?
著者が学び、実践してきたハーバード流の考える力について、自身の経験を下敷きに、どうすれば個人・組織が実践できるかを、事例やエピソードとともにわかりやすく紹介する。
アイデアは
スマホではなく
手書きで
ノートにまとめよう
私は1993年生まれなので、物心がついたときにはインターネットが世の中のインフラになっていたデジタルネイティブ世代です。
大分市という地方都市からハーバードに入学できたのも、ネットをフル活用して必要な情報を得られたからです。
いまもGoogleのスマートフォン「ピクセル」を一時も手放さない生活を送っていますが、音楽や仕事のアイデアをまとめるときはスマホでもパソコンでもなく、アナログな紙のノートを使っています。
スマホやパソコンを使うほうが合理的に思えるかもしれませんし、実際にそうしている人も多いでしょう。
わざわざノートを持ち歩かなくても、スマホで入力すればGoogleのクラウドサービスで世界中どこにいても(ネット環境さえあれば)アクセスできます。
そんなことは百も承知で、私がアナログのノートにアイデアをまとめているのは、何よりも広いスペースに「手を動かしながら」書けるからです。
スマホの小さな画面に打ち込むより、物理的に広いノートにペンで自由に書くほうが、感覚的に発想が広がりやすいと思ってのことです。
スマホやパソコンは基本的に画面の上から下へ順番にタイプしますが、紙のノート+ペンならいきなり真ん中から書き始めてもいいですし、イラストも絵も自由に挿入できます。
ノートに自由に書いたアイデアを、線でつなげて関連づけたり、番号をふってまとめたりしているうちに、漠然としていたアイデアが少しずつ形になってきます。
頭の中にあるうちは関係性の見えにくかったこと同士でも、紙の上で点と点がつながり、想像もしなかった輝きを放つようになるのです。
ペン入力ができるタブレット端末なら、紙と同じように自由に使えるかもしれませんが、私からしたらまだスピードが追いついていなくて、ちょっと使いづらい感覚があります。
慣れたペンで手の触感をともなって書く“アナログ感”が、構想を練るのに脳活性とともに貢献している気がするのです。
頭に浮かんだアイデアをその場で記録していますか?