グーグルのクラウド事業は、広告事業が地に戻りつつあるなかでさえ浮上を続けている。問題は、一方がもう一方よりずっと重みがあることだ。そうした違いは、親会社のアルファベットが3日午後に発表した2019年10-12月期(第4四半期)決算で鮮明になった。この決算では、グーグルのクラウド売上高とユーチューブの広告収入が初めて発表された。特にユーチューブに関しては遅すぎの感がある。16億5000万ドル(現在のレートで約1790億円)でグーグルに買収されてから14年近くがたっているのだから。ユーチューブの19年の広告収入は150億ドル強。これだけでフォーチューン500企業の上位半分に入る金額だ。しかし、ユーチューブもグーグルの中核である広告事業の一部だ。同事業の規模はなお、クラウド事業の15倍余り大きい。最近はその広告事業が減速している。4-6月期の広告収入は計379億ドルと、前年同期から17%増加したものの市場予想には届かなかった。通期の広告収入は1348億ドルと、16%弱の伸びにとどまった。18年に記録した22%成長からの減速が目立つ。イーマーケターによると、グーグルはなお世界デジタル広告市場の3分の1近くを占めているが、フェイスブックやアマゾン・ドット・コムをはじめとする同業他社との競争は激化している。決算発表を受け、アルファベット株は時間外取引で4%超下落した。
グーグルの新たな開示、広告減速は隠せず
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