お酒を飲まないムーブメント「ゲコノミスト」で話題沸騰中!!
「なんとなくお金のことが不安だ」
「若いうちにたくさん稼げるだろうか」
「どれだけ支出を切り詰めればいいんだろう」
「老後のことをどこまで考えればいいんだろう」…
そんな不安だらけのビジネスパーソンに向けて希望を語る著書、『投資家みたいに生きろ ―― 将来の不安を打ち破る人生戦略』が5万部のベストセラーとなっている藤野英人氏。
約30年間、ファンドマネジャーとして第一線で活躍し、7000人以上もの経営者にインタビューし、個人や企業の「成長」を見極めてきた経験を生かし、「投資家の思考」を「日々の習慣」に落とし込む方法を伝授します。
「第三の居場所」に価値がある
投資家として大事なのは、「情報のハブ」になることです。
人間関係は、フラットにつながっているように見えて、実は人々の重なりの濃度が異なります。つねに中心にいる人に情報は集まってくるようになっています。
「これはあなたに伝えたほうがいい」
そう言ってもらえる人をたくさんつくることで、人生において圧倒的な情報格差が生まれるのです。
一方で、社会人になってから人的資産が枯渇する人がいます。
それは、会社と家の往復になっている人です。
学生時代の友達も、結婚して子どもが生まれると、徐々に疎遠になります。
あなたはどうでしょう。大人になってから友達は増えていますか?
「出会いがない」が口グセになっていないでしょうか。
もし、5年前と同じ人間関係の付き合いしかないとすれば、少し焦ったほうがいいかもしれません。
「主体性」というエネルギーがないと、人付き合いは広がらないものですが、それを打ち破る鍵は、「趣味」にあります。
私は「多趣味すぎるファンドマネジャー」と呼ばれることがあります。それは、ピアノ、フルート、テニス、ダンス、カメラなど、たくさんの趣味を持っているからです。
今、「コミュニティ」という概念がブームになっていて、家と会社の中間にある「第三の居場所」の価値が、どんどん上がっています。
まずやるべきことは、仕事以外の「趣味の場所」を持つことです。
趣味には、人とつながることができるものすごい力があります。『釣りバカ日誌』のハマさん(平社員)、スーさん(社長)の関係のように、好きなものを通じた交流は、肩書きを超えて立場をフラットにしてくれます。
趣味の「旗」を立ててみよう
私にとってのコアの趣味は、4歳から続けているピアノです。ピアノを誰かと弾き合う機会があればと思い、ピアノサークルを主宰しています。
「ツイッターピアノの会」、通称「ツイピの会」といいます。
ツイッターやフェイスブックなどのツールを使えば、人を集めて「ピアノの弾き合い会」ができるのではと思い、2010年に数人で立ち上げました。
まさに、1つの旗を立てたのです。
それが各地に広がり、全国に14ヶ所、会員も800人を超える巨大コミュニティに育っています。参加者は年齢も職業もバラバラで、学生からシニアまでいます。ピアノの腕にもバラつきがあり、たどたどしく弾くような人から、プロ顔負けの人までいます。集まった人に共通しているのは、「ピアノが好き」という思いだけです。
「僕はショパンの演奏をこう弾きたい」「そこは小指を立てたほうが弾きやすいよ」といったマニアックな話は、日常会話ではできる機会が少ないでしょう。
「ツイピの会に入って人生が変わった」
そう語る人が何人も現れています。私の知る限り、会の仲間同士でこれまで20組以上が結婚し、結婚前提に付き合っているカップルもたくさんいるそうです。
元々の私の1つの思いが、知り合いの知り合いを呼び、普通だったら出会えなかった人たちをつなげているのです。
会のコンセプトは、とにかく「ゆるく」です。名簿もなし、会則もなし、会費もとらずに費用はすべて現地精算です。運営もそれぞれの地域の幹事に任せて、私は総幹事という立場で広めていきました。おそらくフェイスブックやツイッターなどのSNSの存在が、ゆるいコミュニティづくりには欠かせないものだったのでしょう。
苦手なことでも「コミュニティ」はできる
また、私はお酒が苦手です。いわゆる「下戸」です。
下戸の人は、飲み会に対する不満があります。
そんな思いもあって、6月にフェイスブックで「ゲコノミスト」という下戸が集まるグループを作ってみたら、あっという間に3000人を超えるメンバーが集まりました。そこでは、下戸としてツラかった体験を共有したり、下戸を大切にしてくれるレストラン情報などがシェアされています。
こうして、苦手なことであっても、人と人はつながれるのです。
あなたもぜひ、会を主催する側に立ちましょう。
「これ、みんなも好きじゃないかな?」「これ、みんなも不満に思ってないかな?」と思えることがあれば、それを軸に企画してみるのです。
このときに大事なのは、専門家である必要はないということです。ハードルはできるだけ下げておくのが、人がたくさん集まるポイントです。
繰り返しますが、投資家として大事なのは、「情報のハブ」になることです。つねに中心にいる人に情報は集まってくるのです。
そうすると、「幹事」は、簡単に情報のハブになれるチャンスでもあります。
幹事は、参加者全員と連絡を取り合う役目です。「最近どうですか?」といった近況連絡、「おすすめのお店」といった店舗情報が集まります。会がはじまる前から、いろいろな情報が幹事に集まってくるのです。
また、会で気があった人とは一期一会にしないことです。そのときに、幹事をやっていると、その後の連絡などもスムーズですみ会が終わった後にお礼のメールが来ることもありますし、こちらからも「ゆっくり話せなかったけど、また後日ゆっくり話しましょう」などと気軽にアプローチすることができます。
以上、こうした人との付き合い方の「ひと工夫」が、あなたの「人間関係」という見えない資産を大きくしていきます。ぜひ、投資家的な視点から見直していきましょう。