数多くのテレビ出演や講演、ベストセラー作家としての顔を持つ明治大学教授の齋藤孝先生と、
『ぴったんこカン・カン』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『輝く! 日本レコード大賞』など
数々の人気番組の司会者として知られるTBSアナウンサーの安住紳一郎さん。

TBS『新・情報7days ニュースキャスター』で司会者とコメンテーターとして共演しているふたりは、かつて明治大学で先生と生徒の関係だった。
中学校と高校の国語科教員免許を持つ安住アナは当時、明大の教職課程で齋藤孝先生の授業を受けていた。
そんな師弟関係にあり、日本屈指の話し手であるふたりが、『話すチカラ』について縦横無尽に語り尽くす。

“国語科オタク”を自認する安住アナの日本語へのディープなこだわりは必読。
齋藤孝ゼミの現役明大生を前に、安住アナが熱弁をふるった白熱教室の内容も盛り込む。

学生からビジネスパーソン、主婦まで、日ごろの雑談からスピーチ、プレゼンまで楽しくなる『話すチカラ』が身につく!

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「たとえ」は
できるだけ
具体的にする

話をするとき、「たとえ」は非常に大事です。

何かにたとえると、相手の理解が格段にスムーズになります。
その証拠に、あの『聖書』も全編を通じてたとえ話で埋め尽くされています。

たとえるときは、できるだけ具体的にすべきです。

「ビールを飲んだときのような爽快感」よりも「スーパードライを飲んだときの、あの気持ち」のほうがイメージが明確になります。

ビジュアルでたとえるのも1つの方法です。

「本が部屋中にたくさんある」よりも「ジャパネットたかたで電子辞書を売っているときみたいですね」のほうが、聞き手の視覚的なイメージがわきやすくなります。

陳腐なたとえしか思いつかないときは、あえて逆にイメージしにくいほうへ、ひと捻りしてみます。

私は、高級なシュークリームを紹介するとき「東京から習志野までの電車賃くらいのシュークリームです」などと言うことがあります。
あえて少しわかりづらい表現をして、人の気を引こうとするのです。もう必死です(笑)。

さらにもう少しイメージしてもらいたいなら、思い切ってモノマネをする手もあります。

かつて私はテレビのロケで、たまたま目に入った帽子が、どことなくスポーツの審判員が着用する帽子に似ていると感じ、とっさに競艇の審判員のモノマネをしたことがあります。

そのモノマネが似ているかどうかは、二の次です。むしろ、あまり似すぎると嫌みっぽくなります。

むしろ大切なのは、思い切りのよさ。モノマネに躊躇している雰囲気が伝わると、空気がシラけるからです。

たとえば「電車の車掌さんみたいですね」と言ったあと、間を置かずに車掌さんの口調を真似て「次は……四ツ谷、四ツ谷です」と言ってみる。このチャレンジ精神こそが大切です。
特に明大生は(笑)。

真似できそうな人やシチュエーションを見つけたら、こっそり練習しておきましょう。
そのちょっとした練習が、いつかどこかで大ホームランにつながります。

(次回に続く)