北朝鮮も真っ青の
言論統制が敷かれている

 ダイヤモンド・プリンセス号では18日現在、厚労省職員も含む542人という凄まじい数の感染者が出ている。

 これを受けて一部メディアは、「もともと英国籍の船で、国際ルールの中で日本政府は強制力がなかったからしょうがない!」とか、「船内隔離をしないで上陸させていたら、もっとひどいことになっていた」という政府擁護の姿勢を見せているが、岩田氏の「決死の告発」を踏まえれば、擁護できる部分は1ミリもない。

 アフリカや中国よりもひどい感染対応によって、健康な人にまでウィルスを広げてしまった「人災」の可能性が否めないからだ。

 では、何かにつけて「日本の医療レベルは世界一」だと喧伝するこの国の感染対策が、なぜこんなお粗末なことになってしまったのか。情報の少ない現時点ではまだなんともいえないが、岩田氏の告発からうかがえる一因として、「厚労官僚の暴走」がある。

 前にも述べたように、岩田氏は17日にダイヤモンド・プリンセスに乗船を許された。これは岩田氏が個人的につながりのある厚労省の人間と交渉をしたからということらしいが、そこで岩田氏は“奇妙な約束”をさせられる。

「DMAT(災害派遣医療チーム)のメンバーとして乗船し、決して感染対策の仕事はしてはいけない」というものだ。

「は?感染対策の専門家に仕事をさせないってどんな理屈だよ」と呆れる方も多いかもしれないが、驚くのはそれだけではない。

 船内を案内された後、岩田氏はスタッフらのミーティングで意見を述べてもいいかと打診をしたところ、感染対策を取り仕切っている何者かの怒りを買ったということで、わずか1日で下船を命じられたというのだ。

 岩田氏によれば、船内では厚労省の方針への異論を許さぬムードが蔓延しているという。岩田氏が訪れる前にも、感染対策の専門家は何人か乗船したというが、ほとんどがこのようなムードを忖度して進言をしない。もちろん、「同調圧力」に屈することなく進言をする者もいたが、厚労省側は耳を貸さず、岩田氏のように船から追い出されてしまうらしい。

 つまり、中国や北朝鮮のような「言論統制」が、現場の専門家たちの「粛清」を引き起こして、ただでさえ稚拙な感染対策をさらにひどい状態にしているのだ。