話はここで終わりません。部下は洗浄液を詰めただけで、自動販売機の掃除をしなかったのです。部下もなかなか、ずぶとい神経の持ち主です。

 もちろん上司も、そんなことはお見通し。翌日も「シュッシュは?」とキラーパスを出し、洗浄液が一滴も減っていないことを確認。またじーっと容器を見つめ、そして目線を部下に移し、叱ることもなく部下の目を見つめました。

 部下もさすがに、観念したのでしょう。ついに自動販売機の掃除をし始めました。

ときには「いたずら心」も働かせる

 重い一歩を踏み出した部下を上司は思いっきりほめました。「よく自分から自動販売機を掃除した! 偉いぞ!」。たしかに今回、上司は「自動販売機を掃除しろ」とはひと言も言っていません。「自発的に動かざるを得ない状況」に追い込んだだけです。

 しかし曲がりなりにも「自発的」に動いたことをほめられて、部下も嬉しかったのでしょう。この一件以来、その部下は自動販売機の掃除を習慣にするようになったといいます。

「行動しないから」と口出しをしても、人は自発的に動きません。あなたなりの「いたずら心」で部下の自発性を刺激してあげてください。