精神医学に「適応障害」という言葉があります。新しい環境に上手に適応することができず、その精神的ストレスから、たとえば会社に行けなくなったりするなどの症状です。では、なぜ上手に適応することができないかと言えば、そこには「早くなじみたいという焦り」がある場合もあります。

 人間はそもそも新しい環境に、それほど早くなじめるものではないのです。人と人との信頼関係も、それほど早く築かれるものではありません。ある程度の時間がかかるものなのです。それは半年かかることもあるでしょうし、一年かかることもあるでしょう。

 それを「早くなじみたい。早く信頼されるようになりたい」と焦ると、かえって「私は受け入れられていないのではないか」という不安が大きくなっていきます。そして、周りの人たちが自分を見る目もとても冷たいもののように感じられてきて、「適応障害」という心の病を発症するケースもあります。

 従って、新しい環境に入っていく時には、「早くなじみたい」とあまり焦らないほうが賢明です。「ゆっくりなじんでいけばいい」と、楽天的な気持ちでいるほうがいいでしょう。そうすれば、周りにいる人たちの目も気にならなくなるはずです。