資産運用については、例えば、内外株式のインデックスファンドと個人向け国債(変動金利型10年満期)に銀行預金の組み合わせをアドバイスして、計画的に資産を取り崩すことをアドバイスすればいい。この際に、アドバイスを受ける側では、投資すべき具体的なファンド名と投資比率を知りたいだろう。

 ところが、投資顧問業者としての登録なしに、個別の銘柄名と投資比率をアドバイスして報酬をもらうと、違法とされる可能性があるのだ。

 投資対象の候補をリストで示して本人に選んでもらったり、「国内株式の株価指数に連動するファンドで、運用管理費用のできるだけ安いものを選んでください」などとアドバイスしたり、といった形なら業法に触れないとの意見もある。ただ、解釈が微妙で心配だ。また、アドバイスを受ける側では「具体的な商品名を教えてくださいよ!」と言いたい気持ちになるだろう。

 個人的な会話として具体的にアドバイスする方法があるかもしれないが、数多くのアドバイスをして毎回報酬をもらっているとすると、「アウト」となる可能性が大きい。

 そこで、「念のために」助言の投資顧問登録をしようとすると大変に面倒だ。500万円の供託金は預けるだけだからいいとしても、専門の法務担当者を置くなどの体裁を整える必要がある。さらに、将来の当局の検査に備えて書類を保管・管理しなければならないなど、ハッキリ言って運用アドバイス以上に手間と費用が掛かりかねない。

監督をする当局だって
今のままでは大変だろう

 金融資産の運用についてのアドバイスをビジネスにするのであれば、当然、何らかの組織で投資顧問の登録を行い、その組織の下にアドバイザーを抱えて行え、というのが監督当局の立場であるかもしれない。しかし、今後必要な金融アドバイザーの数は本来膨大なものであるはず。現在の投資顧問に対する管理のようなやり方では、監督当局自身も大変だし、必要性を考えると双方にとって無駄が多いのではないか。