しかし問題は、それをあからさまに“他の社員”に見せつけることではないか。しかも、役員のような上の立場の人間、あるいは会議という複数の社員がいる場で、自分が上で相手が下という位置関係を表現する。マウンティングを見せつける。これらは、同僚が感じるモラハラのよくあるパターンだろう。

 しかもこれらは、決して「どちらが上か」という位置関係は明らかではない。上だと思っている人が、単なる自分の勘違い、自信過剰の可能性もあるのだ。

 それについては、こんな意見もあった。

「他の社員のいる前で『お前もう少し頑張れよ』と言ってくる同僚がいたが、彼はチーム内で“成長しない社員”としてやり玉に挙がっていた。その社員が部屋を出ていった後、先輩同士が顔を見合わせてあきれていた」(30代男性・メーカー)

 マウンティングをとったり、相手を公然と見下したりする人間ほど、得てして自分の実力や立ち位置を見誤っているケースがあるのではないだろうか。あるいは、自分の立ち位置が低いことを肌で感じているからこそ、自分を誇示しようとして相手の位置を下げているのかもしれない。

「上から目線」のモラハラには、そんな背景が見え隠れする。

職場で起きる「いじめ」は
エスカレートしたモラハラ

 紹介したような「上から目線」がさらにエスカレートすると、モラハラの形態は「いじめ」へと変わる。これはかなり悪質だが、実際にそういったエピソードも寄せられた。

「あるとき、仲良くしている先輩社員の男性と『異性関係にある』と噂され始めた。そんな事実は全くなく、男性社員も困って噂(うわさ)をたどっていくと、私の同僚の女性社員に行き着いた。彼女がありもしないことを周りに言いふらしていた。なぜそんなことをするのか意味がわからない」(30代女性・小売)

「同僚があからさまに情報を私へ伝達しなくなった。業務に関する重要な情報は伝えてくれるが、ちょっとしたこと、例えば来週月曜の朝は早めに出勤して部署の全員で清掃を行うなど、あえて私に言わない。何が嫌なのかは分からないが、こういった行為は相手が異動するまで1年近く続いた」(30代女性・IT)

「同期で集まった際、最近の仕事の悩みを話した。もちろん、その会の中だけで話したい内容として。しかし、同席していた一人の同期は、後日、他の先輩がいる前でこの内容をしゃべり始めた。明らかに嫌がらせだったし、この人にはもう今後話さないよう決意した」(30代男性・金融)