次の研究では、脳卒中の既往がない成人1145人(平均年齢76歳、女性55%)を対象に、MRI画像を用いて脳動脈の閉塞を評価した。その結果、参加者の10%では、脳動脈に50%以上の重度の狭窄が認められた。
また、歯肉炎のある人では、ない人と比べて脳動脈に重度の狭窄が見られる確率が2倍であった。さらに、年齢や高血圧、高コレステロールなどのリスク因子で調整すると、歯肉炎のある人では、脳動脈に重度の狭窄が見られる確率が2.4倍であった。
これらの研究結果は、歯周病が脳梗塞の原因であることを証明するものではない。しかし、Sen氏は「診療に当たる医師は、歯周病は炎症を伴う細菌感染症であることを十分に認識し、患者と協力して治療に取り組むことが重要だ」と強調。現在、歯周病を治療すると脳卒中リスクが低下するのか否かを調べる研究に取り組んでいるという。
なお、学会発表された研究結果は、一般に査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2020年2月13日)
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