座りっぱなしは血管に悪影響!リスクを打ち消してくれる身近な飲み物とは?【新研究】写真はイメージです Photo:PIXTA

ココアやベリー類は
座位行動による血管への悪影響を抑える?

 熱いココアや紅茶、リンゴ、ボウルいっぱいのベリー類は、ソファでゴロゴロしている生活やデスクワークをする人の心臓の健康を守るのに役立つかもしれない。これらの食品や飲み物にはフラバノールと呼ばれる物質が豊富に含まれており、長時間の座位行動に起因する上肢・下肢の血管の問題を予防する可能性のあることが示された。

 英バーミンガム大学栄養科学分野のCatarina Rendeiro氏らによるこの研究結果は、「The Journal of Physiology」に10月29日掲載された。Rendeiro氏は、「座っている間にフラバノールを多く含む食べ物や飲み物を摂取することは、活動不足が血管系に及ぼす影響を軽減する良い方法である」と述べている。

 Rendeiro氏は、「座りっぱなしの生活様式が一般的になり、それが血管の健康に悪影響を及ぼす可能性が高まっていることを考えると、フラバノールを豊富に含む食べ物や飲み物を摂取し、なおかつ短時間の散歩をしたり立ち上がるなどして座位行動を中断することは、体力レベルに関係なく、長期的に健康を増進する良い方法となる可能性がある」とニュースリリースの中で述べている。

 研究の背景情報によると、座位は血管内皮機能の低下を招き、心血管疾患などの慢性疾患リスクを高めることが示されている。

 座位中の栄養摂取は、こうした影響を最小限に抑える方法として活用できる可能性がある。一部の果物、お茶、ナッツ、カカオ豆に含まれているフラバノールは、精神的ストレスを受けているときに血管の健康を守る効果があることが知られている。

 Rendeiro氏らは今回、40人の健康な若い男性(体力レベルの高い男性20人、低い男性20人)を対象に、座位行動の直前にフラバノールを摂取することで上肢・下肢の血管内皮機能の低下を防ぐことができるのかを検討した。