――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ***  新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、ドナルド・トランプ米大統領がこれまでに直面してきた問題の中で最大のものだ。株価が下落し、患者数が増加する中、今回の感染症流行は一部の米国人の命とすべての人々の経済的繁栄を脅かしている。さらに、トランプ氏を政権の座に押し上げた政治手法の障害にもなりつつある。  トランプ大統領は他の危機的状況の際と同様に、脅威の性質を見極めようとし、自身の発言や政策対応を試しながら時間稼ぎをしてきた。