そうした中でブランド自ら、想定するターゲットやブランドのイメージに沿って小売店やフランチャイズ店を選別する動きが増えてきている。コラボ商品の例で見たように、商品を卸す先の小売店に対して別注で商品を作るなど、店舗とのブランドの連携を強化し、その先の顧客層のニーズをくみ取ることに注力するのが勝ちパターンだ。

 少子高齢化に伴い、国内アパレル市場は縮小傾向にある。加えて、アパレル企業の宿命として、トレンドの波に揺られる覚悟も必要だ。そうした中で、「個別最適化」の戦略はブランドが生き残るうえでの重要なポイントといえそうだ。

 実は、アパレル業界は古くから「エスニックマーケティング」が重視されてきた領域でもある。

「アメリカのアパレルブランドは、統一的な商品を全世界に大量に卸しているというイメージを持たれがちだが、それは誤解。それぞれの街の人種、民族分布などを基に、緻密なエスニックマーケティングを行っている」(小島氏)

 特に近年、国内市場のローカル化は顕著であり、人気商品を通り一辺倒に卸すだけではなかなか市場に受け入れられない。ブランドのアイデンティティーを保ちながら、いかに個々の客層にカスタマイズしていくか、絶妙なバランス感覚が求められる。

 厳しいアパレル市場を勝ち残るには、こうした適応能力の高さが鍵になりそうだ。