多くの製薬会社が新型コロナウイルス感染症のワクチンや治療薬の開発に奔走している。効果が期待される複数の治療薬やワクチンの臨床試験が既に始まり、さらなる試験の準備も進んでいる。他の病気の治療用に承認された薬や開発が中止されたものでも、研究所で有効性が評価されれば、追加の試験が行われる可能性もある。バイオテクノロジーイノベーション協会の会長でオービッド・セラピューティクスの最高経営責任者(CEO)を務めるジェレミー・レビン博士は、「業界が行動に移っている」と語る。だが開発プロセスには時間が掛かりそうだ。国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、ワクチンの安全性と有効性の確認には少なくとも1年から1年半はかかると述べている。業界関係者も、有効性が示唆されるまでに何カ月もかかるとの見方で一致している。その上、治療薬の開発過程では、大半が上市に至らず失敗に終わる。