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原油価格下落で思惑通り進まぬ増産
だが鉱物資源獲得の動きは続く
トランプ第2次政権が2年目に入る2026年が始まった早々の1月3日、世界は米軍がベネズエラを攻撃し、そして同国のマドゥロ大統領夫妻を拘束して、米国に連行するというショッキングな事態に驚愕(きょうがく)することになった。
トランプ政権は、攻撃の理由として、ベネズエラからの不法薬物の流入回避や大統領がそうした取引に関わっていたことを挙げているが、ほかにも世界最大の埋蔵量とされるベネズエラの石油利権確保や、秋の議会中間選挙をにらんだ支持獲得、西半球における米国の影響力拡大などが考えられる。
とりわけ石油利権の確保は、トランプ政権のエネルギー政策、つまり米国のエネルギー生産拡大とコスト削減とともに外交的影響力を拡大する「トランプ・エネルギードミナンス(支配)」の一環としての大きな狙いが込められていたと考えられる。
だがその後の動きをみると、1月9日に行われたトランプ政権と複数の石油企業の会合では、企業側からベネズエラ事業への投資に慎重な意見が相次いだといわれる。
大統領選挙で、「掘って掘って掘りまくる」と豪語したトランプ大統領だが、世界的な石油需要の減退による原油価格低下で、石油メジャーなどの油田開発や生産増などの動きは鈍いままだ。
べネズエラでは、加えて政情不安定などの要因もある。トランプ政権は2年目に入ったものの、エネルギードミナンスの実現の見通しは立っていない。
ただし、トランプ政権のレアアースなどを含めた重要鉱物資源確保の動きは今後も続くとみられ、日本は経済安全保障もあわせたエネルギー政策の構築を急ぐ必要がある。







