国交省は「やるやる詐欺」
ゼネコンは監督不行届き

 残土問題に関わる関係者は、「発注元」「受注企業」「下請け事業者」「運搬業者」「処分業者」「土地所有者」などである。

 上の階層から順に問題点を指摘していくと、まずは「発注元」だ。

「残土の約9割は公共工事由来で発生しているため、国の責任は多分にあるといえます。2003年に国土交通省は『建設発生土行動計画』を策定し、『発注者(ゼネコンなど)が残土の行き先を完全に把握すること』と指針を出しましたが、相変わらず問題は起きています。さらに『法的な対応を検討する』とも掲げましたが、いまだに実現していません」

 残土がそんなに迷惑なものならば、早いところ国が厳格に規制すればいいだけのように思えるが、ことはそう簡単ではない。その理由として、残土は法的に「廃棄物」ではなく、「資源」という位置付けであることが関係しているようだ。

「公害が問題視されていた1970年に廃棄物処理法が成立し、土は廃棄物ではないと線引きされました。つまり土は資源と見なすことができ、市場原理が働きます。残土を売る人、買う人がいるため、そもそも国が厳格に規制すべき対象ではない。その大前提があるため、50年近くも放置されてきたのでしょう」

 次の問題点は「受注企業」、つまりゼネコンだ。

「本来なら、受注するゼネコンが発注元の国に対して、残土の処理費用を見込んだ上で契約し、しっかり指定処分(下請け業者に残土の搬出先を指定)すべきですが、建設業界の受注は入札で決まります。そのため、ゼネコン各社はいかに費用を抑えた見積もりを出すかを考えます。人件費や材料費はそう簡単には削れないため、残土処理費用などを一番削りたいというわけです」