一般市民が「パニックモンスター」へと変貌

 しかしこのような事態が起きているのは、マスクを求めるクレーマーの「新型コロナに感染したくない」という誰もが抱く不安な感情が、表にあふれ出てしまっている結果です。こうした人たちはもともと極悪非道なブラックモンスターではありません。ウイルスから家族を守りたい、平穏な生活を送りたいという、至極当然な思いが根底にはあるのです。

 えたいの知れない不安や恐怖心でいっぱいになれば、誰もがパニック状態に陥り、非日常で溜まったストレスが怒りとなって表れてしまいます。なかには、マスクの転売に手を染めることを目的とした輩もいるかもしれませんが、今買い求めている大多数は、そんな悪意はない「パニックモンスター」とも捉えることができるでしょう。

 しかし、そんなパニックモンスターに、おわびし続けるしかない現場の店員にとっては、ゴールのない闇の中でマラソンをしているような絶望的な世界です。どれだけ謝罪や説明を尽くしても、相手は納得もしないし、説得できないからです。 

 本記事は、そんな状況にいる現場の方の力になればと思い、クレーマーに対応しながら、心を守る方法をまとめました。

 一生懸命に対応しながらも、自分の心が折れないように感情を守ることも重要です。心にバリアーを張るイメージで、心が折れないように工夫してください。これを乗り越えられれば、モンスタークレーマーが怖くて逃げだしたくなることもなくなります。経験を積めば、発生したクレームも弱火のうちに鎮火可能です。

急がば回れで数分はしっかり対応

 今、ドラッグストアなどの現場は、多忙を極める厳しい環境ですが、できるかぎり相手の不平・不満をはき出してもらうように努めます。

 マスクの在庫を尋ねられた瞬間、「またマスクか……」と、脱力してしまう気持ちはわかりますが、たとえ、2~3分でもお客が“話を聴いてもらった”という実感を持ってもらえるような話の聞き方をしてください。

 一見、時間のロスで、意味のない行動にみえますが、急がば回れという気持ちが大切です。こちらの「いかにも面倒くさい」といったような対応で、相手が激化してしまっては元も子もありません。避けられる危険は確実に回避しましょう。