ピンポイントおわびで
心理的ストレスを和らげる

 とはいっても、ひたすらおわびの言葉を繰り返していると、心理的なストレスは膨らむばかり。どの業種でもそうですが、何か大きな問題が発生し、それをてんてこ舞いに対応した後ほど、現場のダメージは大きいものです。

 ダメージからうまく回復することができず、離職が頻発してしまうこともよくあります。そのような非常時のストレスを軽減させるために、限定的におわびをする「ピンポイントおわび」を私はおすすめしています。

「現在、多くの方にお問い合わせいただいているのですが、在庫はなく、入荷の目途もいまだつかないんです。お力になれず申し訳ありません」
「何件もお店を回られたんですね。ご足労いただいて申し訳ありませんが、当店には在庫はないんです。ご了承ください」

 マスクがないという現状の責任は、一従業員にはありません。ご期待に沿えなかったこと、力になれなかったこと等に対して、ピンポイントにお詫びしましょう。

相手のイライラを爆発させる
「D言葉」は禁止

 初期段階で発した不用意な一言で、相手をヒートアップさせてしまうケースが後を絶ちません。代表的なのが「ですから」「だって」「でも」の3つ。私はこれらを「D言葉」と呼んで、接客の場面では禁断のフレーズだと伝えています。

 D言葉は相手の話が的外れだったり、堂々巡りになったりすると、つい口にしてしまいがちですが、相手からは「上から目線」「逃げ腰」あるいは「反抗的」と思われ、クレームを長期化させてしまうのです。

 そんなD言葉の代わりに推奨するのが「S言葉」です。「失礼しました」「承知しました」といった、相手の感情を一度受け止める傾聴のフレーズで、クレームを収束へと導きましょう。