ただし、消費を中心に経済活動の水準が少なくとも数カ月にわたって低下することはやむを得ないだろう。また、外国の影響を強く受けて不況が深刻化する可能性には大いに警戒が必要だ。

 なお、東京オリンピック・パラリンピックについては、外国の感染拡大の状況を見ると、世界から人が集まるイベントを今年の夏に行うのは無理だろう。安倍晋三首相が「完全な形でやる」と言っていることから考えると、どの程度の期間か分からないが、「延期」となるのではないか。中止でなく延期なら、オリンピック・パラリンピックの関連需要がなくなるのではなく先送りされるので、経済的損失はかなりましだ。

 もっとも、2020年のオリンピック・パラリンピック需要を見込んで投資を行ってきた観光・小売りなどのビジネスにとって、相当の痛手であることは間違いない。

パニック相場を前に
個人投資家はどうしたらいいか

 痛手というと、内外でざっくり3割の株価下落ともなると、個人投資家が感じる痛みも相当なものだろう。特に、近年、iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAの普及で、新しく投資を始めた投資家の中には、初めて「投資の怖さ」を感じている人がいるかもしれない。

 しかし、近年新たに積立投資を始めた方は、まだ大きな投資金額になっていない。さらに、これからしばらくの間、安い価格で株式を購入できることを思うと、結果的に運のいい投資家であると考えていいかもしれない。仮に、20年後の株価が20年後の経済情勢で決まるのだとすると、株価の下がった今の時点で購入金額を減らすのはもったいない。

 そもそも、資本市場はだいたい10年に一度程度はこうした「怖い思い!」(または「嫌な思い」)をさせるようなイベントを経ながら、それでも投資家に価値を提供してきた。

 各国の株価の「下落相場入り(=高値から20%以上下落)」を伝える「日本経済新聞」(3月13日)の記事に米国株を例にとった以下のような一節があった。

「米国の過去の弱気相場で高値からの下落率は平均38%と大きい。元の水準に戻るまでには平均2年4カ月かかった。」