コロナだけではない
株価下落の要因
世界の株式市場は、歴史的な転換点を迎えている。3月12日の米株式市場は暴落。ダウ工業株30種平均は、過去最大の下落幅となる前日比2352ドル安の2万1200ドル62セントと、わずか1カ月前(2月12日)に記録した過去最高値(2万9551ドル42セント)から28%も下落したことになる。
翌13日の日本株市場は、米国株の暴落を受けて、寄り付きは売りが先行。日経平均株価は、前日比376円16銭安の1万8183円47銭で始まったが、その後、下げ幅が広がる展開。下げ幅は一時、前日比1800円超まで広がり、日経平均株価は1万6690円60銭と2016年11月以来の安値を記録した。
しかし後場に入ると、日本株は下げ渋る動きに。日銀が国債の買い入れオペや資金供給オペの実施を通知すると、日本株は買い戻しの動きが強まり、日経平均株価は1万8千円台を回復した。ところが引けにかけては、再び売り優勢の展開に。日経平均株価は前日比1128円58銭(6.08%)安の1万7431円05銭で終えた。この日の高値と安値の差は約1500円(安値の約9%)と、近年まれにみる大相場となった。
世界的な株安の背景として、新型コロナウイルスの感染拡大懸念があるのは周知の事実。しかし、金融市場で起きていることを俯瞰すると、新型コロナだけに株安の理由を求めるのは無理がある。