だが、罹患率が減っているとして中国と韓国を外したうえで、問題視されているのはイランとイタリアに限定しているのだ。

 そもそも「4カ国で90%以上」としていることにも問題がある。会見が行われた3月11日の時点では中国の患者数が他国を圧倒しており、中国以外の世界の患者数が中国を上回るのは3月16日のことである。

 テドロス事務局長が4カ国にまとめたのは、中国の患者数から目をそらさせるためではないだろうか。

 実際、テドロス事務局長は会見の終盤で、「これらの方策をとることで、社会的・経済的に大きな損失が出ることは理解している。まさに中国がそうだった(as they did in China)」と中国についてはdidと過去形で発言。中国の新型コロナウイルスはあたかも終息してしまったかのように偽装までして見せたのである。

パンデミックの中心は
中国から欧州へ

 テドロス事務局長は3月11日の会見の2日後、「新型コロナウイルスのパンデミックの中心はヨーロッパである」と宣言した。ここで使われている「中心」はepicenterで、もともとは「震源地(の地表部分)」を意味する、かなり強い単語である。

 テドロス事務局長は11日の会見で、ヨーロッパについて「いまや新型肺炎渦の中国で報告されたよりも多くの患者が(ヨーロッパで)日々、報告されている(More cases are now being reported every day than were reported in China at the height of its epidemic.)」と述べた。