新型コロナウイルスの流行と戦う科学者や政府当局者らは、ある問題を指摘している。それは気ままな若者たちだ。
各国の当局は先週、パーティーなどの集会の制限に乗り出したが、ニューヨークからベルリンに至るまで各地のバーやレストランは浮かれ騒ぐ人々であふれかえった。フランスとベルギーでは不法な「ロックダウン(封鎖)・パーティー」が出現し、米国各地のキャンパスでは世界の終わりを祝う学生パーティーが、夜遅くまで開かれた。
これまでのところ、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染者は、年齢が若ければ症状が軽度か全く症状のない者が大半だ。深刻な症状の患者は50歳以上の人々に集中している。先週イタリアのナショナル・ヘルス・インスティテュートが発表したデータによると、致死率は0~29歳では0%だが、それ以上の年齢層で徐々に上昇し、90歳以上では19%となっている。イタリアは現在、新型コロナウイルスの影響が世界で最も深刻な国になっている。
しかし科学者らによれば、これまでの調査で、子供や若い成人層の方が年齢の高い人々よりウイルスに感染しにくかったり、ウイルスを拡散させにくかったりする傾向は確認されていない。ミレニアル世代のソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)政策への抵抗や、顕在化しつつあるこの病気に関する世代間の認識の差が、ウイルス拡散ペースの鈍化を目指す全ての取り組みを崩壊させ、症状が悪化しやすい人々のリスクを高めるのではないかとの懸念が、感染症専門家などの間で強まっている。
ドナルド・トランプ米大統領は16日、たとえ症状の軽い若者であってもウイルスを拡散させる可能性がある点を強調し、米国民に対してレストランでの食事や10人以上の集会を避けるよう勧告した。エマニュエル・マクロン仏大統領はさらに踏み込んで、全仏を対象とした移動制限措置を発動し、違反者は処罰すると発表した。
しかしこれまでのところ、若者たちは注意に耳を貸していないようだ。
30歳のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(民主、ニューヨーク州選出)は14日、ニューヨークのバーやレストランがにぎわっている様子がソーシャルメディア上にあふれているのを目にして、何百万人ものフォロワーに向けて次のようにツイートした。