ちなみにこの数字は、2009年のリーマンショックよりもずっと被害が大きい設定になっています。リーマンショックのとき、トヨタの売上高営業利益率は前年度9%から▲2%へと下落しましたが、前述の【モデル2】ではそれ以上となる、前年度8%から▲8%への下落を仮定しました。そこまでひどくなった場合でも、株価の下落は1万8700円あたりで十分だったはずというのが、モデルから推定される理論水準なのです。

 しかし、金融不安が起きると取引価格はパニックで下がるので、理論水準よりもずっと下まで株は売られてしまいます。3月13日以降、下げ幅が少なくなって一旦株価が膠着状態になっているのは、むしろ「1万6000円が高値だった2万4000円から見て、3分の2戻しの抵抗線だから」という相場理論が効いているのだと思われます。ただ株価はまだ、少しずつ不気味に下がってきています。

 さて、リーマンショック当時も、株価が当初から半分くらいの水準まで下がり、市場が呆然としたときが株価下落のクライマックスでした。そこで株を安値で拾っておいたとしたら、その後ゆっくりと株価は理論値に向けて上がっていきました。

すでに株価は割安に見えても
買い始めるのが危険な理由

 前述のように、今の日経平均の理論値が1万8000円台だと思うならば、1万6000円台の株価は割安だということになります。では、そろそろこのへんで株を買い始めるべきなのでしょうか。

 私は、それはお勧めしません。理由は、まだ世界がコロナショックの途上だからです。確かに、中国では感染者数が日に日に減少して今では1日30人以下となり、終息の兆しを見せています。一方でヨーロッパ各国では、新規感染者数が増加しているし、アメリカもこれから本格的な増加が始まりそうです。日本はここまで何とかうまくコロナを抑え込んでいますが、新規の感染者数が減っていない状況です。