『マンガ サ道』著者のタナカカツキさん、『サウナー・ブック』の著者でプロサウナーの松尾大さん、『医者が教えるサウナの教科書』著者の医師・加藤容崇さんの3名によるサウナ対談が、某日、スカイスパYOKOHAMAで行われた。
空前のサウナブームを牽引してきた豪華メンバーたちが、それぞれの体験を元に、サウナへの深い愛を語る!
(写真 明日陽樹 構成 井上敬子)
――このたび「サウナー・ブック」を出版された松尾大さんは、これまで1000人以上の人に「サウナでととのう」ための入り方をを伝授してこられたんですよね。松尾さんの導きで、加藤さんもサウナの道に入り、サウナの効果や入り方などの医学的研究をすることになったとか。
松尾 大(以下、松尾) そうですね。僕らサウナーが、肌感で分かってること、たとえば、水風呂は16.5度が気持ちいい、みたいなことをいうと、加藤先生は、「人体にはTRP受容体という温度センサーが備わっていて、生命が危うい状態になると痛みとして現れるんだけど、それが16~17度付近だから、ギリギリの心地よさがあるんだと思うよ」とか、瞬時に解説してくれる。「なんでこう感じるのかな」というときの裏付けが面白いんですよね。
加藤容崇(以下、加藤) 僕は、逆に、松尾さんがサウナで体感して「これはどうなの?」と投げかけてくる質問が、医学的にすべて説明がつくことにびっくりするんですよね。
タナカカツキ(以下、タナカ) サウナ→水風呂→休憩を2~3セット繰り返すとよい、とよく言われますが、それも根拠ってありますか?
加藤 ありますね。風邪引いたときに、熱が出るのは、体の防御機能を発揮できる温度にするためで、だいたい深部体温が38度くらいになると、体内の修復が始まり、酵素活性がよくなったり、免疫細胞が元気になるんです。
ドライサウナは1回で0.5度深部体温が上り、水風呂と休憩で0.2度ぐらい下がるので、1セッションあたり0.3度上がります。ウェットサウナだと、1回で0.8度あがるので、水風呂と休憩で下がっても、1セットで0.6度あがる。つまり、平熱36.8度の人だとすると、ドライサウナは4セットでようやく38度に達し、ウェットサウナだと2セット目ぐらいから38度に届きはじめるんです。
タナカ つまりウェットサウナであるフィンランド式サウナだと、2セット~3セットで、ととのうわけですね。
松尾 それは広く伝えないとね。