毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」から、入浴で自律神経と腸の働きを最大限に働きかけるにはどうすればいいのかの、エッセンスを紹介します。

温泉やスーパー銭湯に行ったら<br />「ジェットバス」に<br />必ず入るべき理由Photo: Adobe Stock

ジェットバスと露天風呂は副交感神経に最高の組合わせ

 年末年始のおやすみなどに、温泉やスーパー銭湯などに行かれる方も多いかもしれませんね。私の提唱する「お風呂健康法」は、毎日自宅のお風呂でするのが基本ですが、もちろん、そういった場所でも同様にやっていただいて結構です。
 ただし、温泉やスーパー銭湯のお湯は、自分で温度調節ができないので、熱すぎることもあります。そんなときは、足浴や半身浴をして体を慣らしてから全身浴をしましょう。水分もしっかり補給しながら楽しんでください。

 そして、もし、ジェットバスがあれば積極的に活用しましょう。
 ジェットバスの気泡は破裂するときに超音波を発生させます。超音波にはマッサージ効果があるので、大量の気泡が肌にあたって破裂することで、高いマッサージ効果を得られます。また、ジェットバスが生み出す激しい気泡や水流は、「フラッター効果」と呼ばれる振動を生み出し、血流を促します。
 フラッターというのは、風や気流、水流などによって起こる小刻みな振動のことを言います。旗が風でパタパタとはためく現象が代表的です。
 ジェットバスに当たると、体の肉もまるで布がたなびくかのように、パタパタと振動しますよね。この振動がマッサージのような役割を果たすことで血流が改善するのです。
 サウナに入ることも有効です。ただし、何度も入ったりアルコールを飲んでから入ったりすると脱水症状を起こしやすいので、水分をしっかり補給しましょう。

 露天風呂があれば、さらに最高です。
 自律神経の観点からみると、きれいな水と緑がある空間は、すべて健康のパワースポットになります。さらに、どこまでも続く青い海、広い空、満天の星など、広大な自然を感じられる露天風呂なら、副交感神経が非常に高まります。みなさんも、経験があるのではないでしょうか。「満天の星空を見ていたら、自分の悩みがちっぽけに思えてきて気持ちがラクになった」、「山頂から広がる景色を見たら、元気が出た」など。人間は、広大な空間に身を置いていると、物事を大局で捉えられるようになるので、心が落ち着きます。そして、自律神経のバランスが高いレベルで整います。