米上場企業のトップらが2月初めから3月第3週に合計で約92億ドル(約1兆円)相当の自社株を売却し、約19億ドルの損失を回避した可能性があることが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の調査で明らかになった。WSJは2月1日~3月19日の米上場企業幹部の株式売却に関する当局の資料4000件余りを分析。企業の幹部・役員が回避した推定損失額は、個々の株式の売却時と3月20日時点の差額を基に算出した。S&P500種指数は2月19日に過去最高値をつけた後、3月20日の取引終了までに約30%急落している。売却額がずば抜けて多かったのはアマゾン・ドット・コムのジェフリー・ベゾス最高経営責任者(CEO)で、全体の3分の1以上を占めた。ベゾス氏は米株相場が最高値をつける直前の2月第1週に計34億ドル相当の持ち株を売却した。3月20日まで保有していた場合に比べると、約3億1700万ドルの含み損を避けられたことになる。