靴を軽視していると、深刻な足病に悩まされることにもなりかねない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 私たちは、日々の生活の中で、自分の歩き方や足の形、そして靴選びにどれだけの注意を払っているだろう。二足歩行を選択した人類は、ほかの動物に比べて明らかに多大な負荷が足にかかっている。その負荷は、長年のうちに足を変形させてしまうほどの大きさなのだ。本書によれば、50歳を境にして人間の足形や歩き方は大きく変わってゆくのだという。実際に、外反母趾や偏平足に悩んでいる方も多いのではないだろうか。本書によると、深刻な外反母趾や偏平足は、足を切断するほどの足病を招くリスクが高いという。私たちは、もっと足のことを意識し、自分の足にあった靴を選ぶ必要があると痛感させられる。

『究極の歩き方』 アシックス スポーツ工学研究所著 講談社刊 900円+税

 本書『究極の歩き方』で言及されているウォーキングの効果も興味深い。ランニングと比較すると、ウォーキングは物足りないという読者も多いかもしれない。が、ウォーキングの運動効果やエネルギー消費量は、正しく条件づけて実践すればランニングと比べて遜色ないという。むしろ、足にかかる負担が少ないために怪我もしにくく、足形も崩れにくいので、元気な体をつくるために理想的なスポーツといえそうだ。

 そして驚くべきは、著者であるアシックス スポーツ工学研究所の靴づくりへのこだわりだ。膨大なデータを分析し、快適な歩行のためにさまざまな工夫を結集させて靴づくりをしていることがわかる。この先の一生を元気に歩いて過ごすために、今をもっと歩いて過ごそう、そんなことを考えさせてくれる一冊である。(香川大輔)