コロナショックで
重大な局面を迎える世界経済
世界中でコロナショックが猛威を振るっている。中国湖北省武漢市で発生したとされる新型コロナウイルスの感染は、世界中で非常事態宣言が発せられるなど今まで経験したことのない異常事態を巻き起こしている。欧米諸国の一部の都市では事実上の封鎖状態になるなど、事態はかなり深刻だ。
有効なワクチンの開発には数カ月単位の時間を要するとみられ、いつ、どのように感染が終息するかは全く読めない状況だ。感染の拡大は、世界経済にこれまで経験したことのない重大な影響を与えることは間違いない。今後も経済活動が抑制されるため、雇用への影響は大きい。
特に、今まで世界経済を支えてきた米国では失業が急速に増え始めた。ムニューシン財務長官は政府の対応がなければ失業率が20%に達する可能性があるとの見解を示した。セントルイス連銀のブラード総裁は、4~6月期の失業率が30%に達すると予想している。
中国経済が成長の限界を迎え、米国の緩やかな景気回復に依存して安定を維持してきた世界経済は、今、想像だにしなかった深刻な局面を迎えている。