(1)つみたてNISAを始めた人
「積立継続」を

 近年、iDeCo(個人型確定拠出年金)の拡充や、つみたてNISA(少額投資非課税制度)の開始などの制度的な後押しもあって、積立投資を行う個人が増えた。こうした積立投資家の多くは、全くの初心者ないし、投資経験の乏しい方々なので、コロナショックによる株価暴落を不安に感じたり、場合によっては、「投資など止めてしまいたい」と感じたりしている向きもあるのではないだろうか。投資のことなので「絶対」とは言えないのだが、こうした方々は積立投資を止めずに継続する方がいいと、筆者は考えている。

 特に、つみたてNISAを始めた人は、これまでの投資を換金してやめてしまいたくなるのではないかと心配だ。一般NISAでもそうだが、つみたてNISAの非課税投資枠は、資産を売却してしまうと再投資が可能な形では復活しない。なので、投資による資産形成をやめてしまうのではない限り、つみたてNISAで投資した資産を売ってしまうのは損になる公算が大きい。

 そもそも、つみたてNISAは2018年に導入された新しい制度なので、加入者の投資の累積額自体が、まだあまり大きくないはずだ。

 先進国の株価を見るとして、資本市場では概ね10年に1回程度大きな株価の下落や経済的な混乱が起こる。しかし経験的には、こうした変動を経ながら、株式は国債などよりも高いリターンを投資家にもたらしてきた。もちろん、将来が過去のパターンを必ず踏襲するとは言えないが、バブルの形成と崩壊を繰り返しながら株式が長期的には高いリターンを生むのなら、積立投資の比較的初期に下落相場を経験して安値で株式に投資できることは、むしろ喜ばしいと考えることができよう。

 また、仮に20年後の株価は20年後の経済環境で今とは無関係に決まると考えてみよう。すると、投資する際の株価、いわば「発射台」は低い方がリターンは高くなるはずだ。

 厳密な理屈の上では、株価が高いときに投資するのも、安いときに投資するのも、どちらが有利とは言えない。そのため、上記の二段落は「気休め」にすぎないのだが、一時的に気を休めてでも投資は継続する方がいいと筆者は考える。