突然の逮捕劇、 職業安定法違反で2年8ヵ月の懲役に
高校卒業後は「商売の面白さを覚えてしまった」ために進学することなく、都市部で働き始める。“人材業”を続けながら、知り合いのつてを頼りに飲食店経営を任されもした。
赤坂の周りには、飲食店の客はもちろんのこと、若手経営者、夜の街で働く若者たちも集まるようになった。そして、彼の“人材業”は、より単価が高い「夜の街への労働力供給」の方向へと必然的に変化していったのだ。
「まあ、イケイケでしたよ。これはスカウトだけで食っていけるなと大阪に出た。自分の下で動いてくれるスカウトグループのメンバーは20人はいて。ホストとか女のスタッフもいました。女のコに声かけて『興味ない?』とオレのところに連れてくる。言い方、やり方は色々ですよ。街を歩いているコでもいいし、ホストなら客。その中でもホストにはまりすぎて売掛金払えなくなったコなら確実。女なら友達とか、街で声かけるにしても女同士だと警戒心ないところで勝負できる」
「それで、連れてきてもらったらオレが口説くんです。これも言い方は色々ですがね。まあ、相手を見ながら未来を語るんです。『いい家住みたくないか?』でも、『そんな夢があるならそのためにカネが必要なんじゃないか?』でも。オレのこと好きそうなら『色恋(を装う)』を使うこともある」
こうして、赤坂グループは常に100人以上の「店に落とした女のコ」を抱える大阪有数のスカウトグループとなっていく。
「4年前の夏です。その日は車に乗って仕事してたんです。路肩に止めていたら、急に警察が来て。3車線の道路を封鎖ですよ。『どうしたんだ?』と思っていたら、『降りろ!職業安定法違反だ!』と壁に押し付けられて。別に逃げへんて。ご丁寧に携帯電話の位置情報で探して来てくれたようなんだけど」
「スカウトを禁じる迷惑防止条例、これは街によって色々違うんです。100万円以下の罰金とはなっているけど、まあ普通は厳重注意で終わる。一応ばれないようにやっていたつもりだったし、最初警察が来るならこれかなと思ったんです。でも、職業安定法違反だった。これは初犯でも重い。芋づる式に他のメンバーも十数人いかれましたが、結局、首謀者だっていうことで懲役2年8ヵ月に弁当(執行猶予)3年ついたから、最近までは弁当持ちだったんですわ」