不法就労外国人、過激派、偽装結婚プロモーター、ヤクザ、チーマー、売春婦……。彼らはときに「アウトロー」や「アンダーグラウンド」と評され、まるで遠い国のできごとのように語られてきた。しかし、彼らが身を置く世界とは、現代社会が抱える矛盾が具現化された「ムラ」に過ぎない。そして、「あってはならぬもの」として社会からきれいに“漂白”されてしまった「ムラ」の中にこそ、リアリティはある。
気鋭の社会学者である開沼博が、私たちがふだん見えないフリをしている闇の中へと飛び込んだ。彼はそこから何を考えるのだろうか? テレビや新聞を眺めていても絶対に知ることのできない、真実の日本を描く。全15回の隔週火曜日連載。
開沼博 闇の中の社会学 「あってはならぬもの」が漂白される時代に
最終回
消えたブラジル人サッカー留学生の行方
第14回
手榴弾を投げ込んだ彼が消えるまで――
第13回
シェアハウスに映る死、夢、そして孤独の今
第12回
違法ギャンブルの現在 闇に眠ったはずのカネと欲望の在り処
第11回
高学歴美人「中国エステ」ママの行く末 「カネの奴隷」と「豊かで幸せな生活」の天秤の上で
第10回
「オニイサン、マッサージいかがですかー?」大学院卒トライリンガル中国人マッサージ嬢の来し方
第9回
「過激派」アジトの革命戦士たちの現在 「普通の市民」の中で
第8回
“普通の人”を誘う「脱法ドラッグ」の真実
第7回
ソーシャルメディアが生んだ未成年少女の闇 高付加価値商品に巣食う「援デリ」
第6回
“ポケモン”を管理するスカウトマン スマホで地下化する性風俗産業
第5回
バブルに溺れた元経営者を支えるヤミ金の「生活保護受給マニュアル」
第4回
マックで眠るホームレスギャルの「キャバクラ」開業の理由
第3回
日本とフィリピン、2つの貧困が生んだ地下契約の「理想」と「偽装」
第2回
「売春島」の花火の先にある未来
第1回
取り残された「売春島」に浮かぶもの