米大統領選に向けた民主党の指名争いでトップに立つジョー・バイデン前副大統領は今月、本選を共に戦う副大統領候補の選定プロセスに着手する見通しだ。取り沙汰されている複数の候補者にとっては、全米で感染が拡大する新型コロナウイルスへの対応が大きな試金石となりそうだ。バイデン氏はこれまで、女性の副大統領候補を選ぶとの考えを表明しており、これまで6~10人を候補として検討すると述べている。米国が新型ウイルスの危機に見舞われて以降、ドナルド・トランプ米大統領が日々の会見を自ら指揮するなど、連日メディアに登場しているのに比べ、バイデン氏はこのところ、すっかり影が薄くなった印象が否めない。バイデン氏と関係者らは、副大統領の有力候補として、指名獲得を争っていたカマラ・ハリス、エイミー・クロブシャー、エリザベス・ウォーレン各上院議員に加え、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事らの名前を挙げている。バイデン氏がこの中から副大統領候補を選べば、候補者によるコロナ危機への対応、トランプ政権に対する責任追及、日々の暮らしに窮している米国民への支援といった取り組みを強調することで、民主党政権が危機時にどう国を率いて行くのかを有権者に示す手段の1つになる。