「嫌われたくない」精神は
人生をつまらなくする

 そもそもプロ奢氏の“奢られ業務”が始まったキッカケは、「人に会って話しを聞くことが、最も知的好奇心を満たす」というところからスタートしている。

「最近は平均して週に10件程度、奢られています。」

 東大生に弁護士や医者、パパ活女子や風俗嬢、とある有名宗教の教祖の息子まで、彼の生き方に興味を持ち、奢りにくる人の属性は幅広い。いったい顧客は何を求めて奢りにくるのか。

「本人じゃないからわからないけど、変な民族に会ってみたい、っていうような気持ちなんじゃないですか。社会的な生き物しか集まらない場所にずっといると、野生の生き物を観察したくなるじゃないですか」

 その不思議な魅力は実際に会ってみなければ、到底伝わらないだろう。ネット上では彼の活動に反発する声も少なくない。しかし誰も思いつかなかった職業をものにしてもう2年以上生きている彼は、「どれだけ人に嫌われても、まったく気にならない」とひょうひょうと語る。

「誰にも嫌われないで生きたい、という思いは人生をつまらないものにする。メディアのコンテンツだってそうじゃないですか。『嫌われたくない』という精神は、毒にも薬にもならない。誰の印象にも残らないつまらないものしか生み出さない。誰かに嫌われる覚悟がなければ、熱狂的なファンも生まれない」

 周囲の雑音は気にしない。質問に対して当意即妙な答えをひねりだす瞬発力には、人並み以上の頭の回転の速さが感じられた。