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きちんとした服を選んだら
顔つきまで変わる

 おおよそ世の中の中高年男性というのは、衣服を買いに行くのが苦手とちゃうんか。自分がそうだから、そう思うだけかもしれない。しかし、いつも買いに行くお店、たいがいが奥さん、あるいは、奥さんとおぼしき人と買いに来てるおっちゃんが多い。もちろん、わたしも妻についてきてもらう。

『着せる女』書影
『着せる女』 内澤旬子著 本の雑誌社刊 1815円(税込)

 スーツやブレザー、パンツ、シャツ、思えば、ほとんどがその店である。特に似合うからとかいうより、他の店に行くのが慣れてない、という理由からだ。買う時も、さして考えるわけではない。気に入った色のがあれば、試着して買う。試着といっても、いろいろと試すのではなく、サイズがあうかどうかを確かめる程度だ。

 お店の人にどのようなものをお探しですか、と尋ねられた時、同行者=妻の言うことは決まっている。皺になりにくくて、汚れの目立たないのがいいです。はい、そうですか。かくして、そこそこではあるが、まぁ、あくまでもそこそこでしかない身なりをしている。

 あかん、それではあかんかったんや。『着せる女』を読んで目が覚めた。きちんと身に合った、シチュエーションにあった服を着たら、むっちゃかっこようなるらしい。なんと、顔つきまで変わるとか。ひょっとした性格も変わって、女が群がるようになるかもしれん。と、そこまではないかもしれんが、何しろずいぶんと違うらしい。