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米ワシントン州シアトルで新型コロナウイルスの感染者が増え始めた3月、ワシントン医科大学病院・クリニック長を務めるリサ・ブランデンバーグ氏は、患者数の予測を同僚に依頼した。数日後に提示された予測は、900人超が医療処置を要するというものだった。同病院の病床約1550床はほとんど常にフル稼働していた。
それから1カ月近くがたった。ワシントン州内ではシアトルでも他地域でも、予測された感染患者の波はまだ押し寄せていない。
データが遅れているかもしれない上、郡と州のデータに一部相違もあるが、今のところ新規感染者の増加ペースが鈍化している証拠が少なくとも幾つか出ている。シアトルのあるキング郡では、3月26日に新規感染者数が約200人と最多を記録。日々の新規感染者数はその後、この水準を下回っている。スノホミッシュ郡は3月27日の137人が最高で、それ以降はやはり減少傾向にある。ブランデンバーグ氏に予測を示したワシントン大学の保健指標評価研究所（IHME）によると、新型コロナの感染症による死者数は既にピークを越えた可能性がある。
