ガラスメーカー世界大手AGC(旧・旭硝子)の北京支社は2月上旬、中国政府傘下の貿易機関から予期せぬメッセージを受け取った。この困難な時期に何か手助けできることがあれば教えてほしいというのだ。新型コロナウイルス感染拡大で国土の多くが封鎖(ロックダウン)されたことによる中国北部の交通規制で、商品の出荷が妨げられているとAGCが苦情を訴えると、その問題は数日中に解決された。その対応は「ものすごく速かったし、丁寧だった」。AGCグループ中国総代表の上田敏裕氏はこう話す。後日、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)の職員からAGCに電話が入り、同社の中国投資計画に変更はないか尋ねられたという。「先方の関心は、外資が何を考えているか、逃げないか、ということだった」と上田氏は語る。